2026年度 理事長所信
【スローガン】
エンパワーメント
〜共想・共走・共創~
【はじめに】
一般社団法人瑞浪青年会議所(以下、瑞浪JC)は昨年度、創立60周年を迎え「さあ、まちを感動させよう」というスローガンのもと、諸先輩方が築き上げてこられた歴史と誇りに改めて向き合いました。JCの本質である「ひとづくり」「なかまづくり」「まちづくり」を通じて挑んだまちを感動させることへの挑戦、その想いと行動はまちの未来に希望の種を蒔くものです。本年度、新たな一歩を踏み出す私たちはその熱い志を受け継ぎ、さらに広げていく責任があります。
一方で、私たちの暮らす瑞浪市は人口減少が続き、2014年・2024年と全国の消滅可能性自治体の一つとして名が挙げられました。地域の将来に不安を抱く声が高まる今こそ、誰かがやってくれるという受け身の姿勢ではなく、自らが覚悟と責任を持って、まちの未来を切り拓く存在にならなければなりません。どれほど社会や仕組みが変わっても、まちの未来をつくるのは人であり、その中心に立つのが我々JAYCEEだと信じています。
このまちに暮らす一人ひとりが自らの内にある力に気づき、発揮し合える状態をつくること。それこそが、私が2026年度の理事長として掲げるキーワード「エンパワーメント」です。私が敬愛する星野リゾート代表、星野佳路氏が「私にとって最も大切な教科書だ」と語る書籍「1分間エンパワーメント」の中で、次のような一説があります。「真のエンパワーメントは人にパワーを与えることではありません。与えてもらわなくても、人はもともとたっぷりのパワー、知識、経験、意欲をもっていて、立派に自分の仕事ができるのです。エンパワーメントとは、メンバーがもっているパワーを解き放ち、それを課題や成果を達成するために発揮させること。」この考え方はまさに私がJCに必要だと感じている価値観そのものです。
そこで私は本年度スローガンを「エンパワーメント〜共想・共走・共創〜」と掲げます。私たち自身の成長とまちの未来を共に想い、同じ志で汗を流しながら共に走り、互いの力を掛け合わせ、地域に新たな価値を共に創る。この三つの「共」が重なり、連鎖を生み出すことで組織を動かし、まちを動かし、未来を動かしていく。そして何よりも重要なのは私たち自身がまず誰かを動かす前に、自分自身が動くことです。私たち一人ひとりがまず自らをエンパワーし、関わるすべての人の可能性を引き出し、社会に希望の光を灯す存在となる。その覚悟と行動をもって、一年の軸として取り組んでまいります。
【共に想うなかまづくり】
JC運動を未来へとつなぎ、まちの可能性を切り拓くために、会員拡大は欠かすことのできない使命です。人口減少が進む瑞浪市において、若者の流出や地域経済の縮小が現実の課題である以上、地域を担う人財を育て、次世代にバトンを渡す組織であり続けることが私たちの責任です。組織が縮小すれば、運動の発信力・実行力は弱まり、まちに与える影響も小さくなってしまいます。
しかし、拡大は決して単なる人数の増加を意味しません。それはまちの未来を共に想う仲間を迎え入れることであり、瑞浪の青年が結集する力はやがて東濃を動かし、岐阜を動かし、そして日本をも動かす原動力となります。私たちが取り組む拡大は、まちの未来を託す「なかまづくり」そのものなのです。本年度は対象となる青年との接点を広げ、多くの人と出会う機会を創出することを重点に取り組みます。出会いなくして拡大は始まりません。一つひとつの出会いを大切に積み重ねることで、確かな拡大につなげてまいります。
同時に私たち自身が共に歩みたいと思われる存在でなければなりません。本業で成果を上げ、社会に必要とされ、誇りある生き方を貫くことで、私たちの姿は説得力を持ち、人を惹きつけます。あの人のようになりたい、あの組織に加わりたいと思わせる姿勢こそ最大の拡大戦略です。また、新たな仲間が加わったときに背中で語れるか。挑戦する仲間に伴走し、共に汗を流し、支え合えるか。そうした積み重ねがやがて強固な絆を育み、拡大は自然と成果へと結びついていきます。
拡大はゴールではなくスタートです。新たな仲間との出会いが新しい運動を生み、組織の力を高め、まちを動かす原動力になります。私たちは「共想・共走・共創」の精神で、未来の瑞浪を共に切り拓く仲間を増やし続け、より力強い組織を築き上げてまいります。
【共に想う次世代の組織づくり】
瑞浪JCは限られた時間と資源を最大限に活かせる次世代型の組織を目指します。そのために、本年度はAIやデジタルツールの積極的な活用を進めます。会議資料や議事録の作成補助、情報共有の最適化を通じて、メンバーが活動そのものに集中できる環境を整備します。また、誰もが必要な情報をタイムリーかつ正確に把握できる情報の見える化を推進し、メンバー間の認識のズレを防ぐとともに、スムーズな連携と協力体制を築き、組織全体の信頼性と結束力を一層強化することを目指します。
同時に育LOMの視点を重視します。メンバーの多様なライフステージを尊重し、家庭・仕事・JC活動の調和を実現し、特に育児世代のメンバーが家庭や仕事を両立しながら安心して活躍できるよう、柔軟で温かみのある組織づくりを進めます。
また、他団体、他地域との連携にも積極的に取り組みます。特に姉妹LOMである鈴鹿JCからは東海地区協議会会長が、隣接する恵那JCからは岐阜ブロック協議会会長がそれぞれ輩出され、瑞浪JCからは東海地区協議会財政審査特別委員会委員長を輩出します。これは我々にとって大きな刺激であり、リーダーシップや組織運営のあり方を学ぶ絶好の機会です。その流れに歩調を合わせ、積極的に交流・協働を行い、組織の厚みと広がりを一層強化していきます。
そして、事務局が率先して効率化 × デジタル化 × 連携強化を進めることで、進化し続ける組織へと変革を遂げていきます。誰もが安心して挑戦できる基盤を築き、次世代へとつなぐ力強い土台を創り上げてまいります。
【共に走るひとづくり】
瑞浪市は人口減少や若者流出だけでなく、地域を支える中小企業や事業者の後継者不足や人材流出といった大きな壁にも直面しています。こうした課題は地域社会の持続可能性そのものを揺るがす深刻な問題です。地域経済が活力を失えば、持続可能なまちづくりは成り立ちません。だからこそ今、私たちはまちをどう支えるのかという個の視点が強く求められています。私たちの運動は決してJCの中だけで完結する活動ではなく、まちに影響を与え、未来を切り拓く存在である必要があります。JC活動に励むと同時に本業で成果を上げ、私たち一人ひとりが地域経済を支える経済人として、社会から必要とされる誇りある生き方を貫かなければなりません。
JCはまちのために挑戦を重ねる実践の場であり、経済人としての成長を促す学びの場でもあります。失敗を恐れずに挑戦し、仲間と切磋琢磨し、成果を地域に還元する姿勢を積み重ねることによって、やがて地域から憧れや共感を寄せられる存在へと自然に育っていきます。瑞浪JCの一人ひとりが、そのような信頼を得ることで私たちの運動は真に説得力を持ち、まちを動かす原動力となるのです。
本年度はその実現に向けて、青年経済人として必要な知見を磨く研修や交流の機会を整えます。互いの成長を後押しし、挑戦の姿勢を当たり前とする文化を築くことで、地域に信頼と共感を広げる魅力的な組織へと進化していきます。
【共に創るまちづくり】
私は瑞浪で生まれ育った若者たちが「いつかこのまちで挑戦したい」「何かを成し遂げたい」と心から思える未来を作りたいと考えています。現実には今の若い世代にこのまま瑞浪に住み続けたいか、将来地元に帰りたいかと問えば、多くが迷うでしょう。夢や挑戦の舞台は都市にあると考える若者が多いからです。
令和6年度の市民アンケートにおける「これからも瑞浪市に住み続けたいと思いますか」の問いに対し、「他市町村に移転したい」の割合が10代は33.3%、20代は25.1%と他の年代に比べて高く、次世代を担うべき若者がこのまちに未来を見いだせないと感じている現実は瑞浪にとって早急に向き合わなければならない問題です。
しかし、声を大にして伝えたいのです。瑞浪にも夢はある。挑戦できる舞台もある。そして未来を変える力を発揮できる土壌がこのまちには確かに存在します。だからこそ、私たちがその入り口となり、若者が未来を描くきっかけを提供しなければなりません。
私たちは地元の若者たちと直接向き合い、瑞浪の魅力、地元企業の魅力、そして自分たちの手でまちを創る喜びを伝えます。単なる一時的な事業ではなく、若者がこのまちで生きていく意味を実感できる場を創出する挑戦です。「このまちに恩返ししたい」「自分たちがこのまちをもっと面白くするんだ」そう思える若者が一人でも増えるなら、それこそが未来の瑞浪にとって何よりの希望です。その希望の火とは若者の胸に芽生える誇りであり、挑戦の意欲であり、このまちに未来を見いだす力です。私たちはその火を灯し、次世代へとつなぐ起点となることこそ、瑞浪JCの使命であると確信しています。
【東濃5LOMとの交流】
2026年度、瑞浪JCは東濃会議の主管LOMとして、責任を担います。東濃会議は地域を越えてJCメンバーが集い、互いに学びを深め、友情を育み、そして地域をより良くする志を一つにする場です。今、東濃地域は人口減少や若者流出、産業構造の変化など、多くの課題に直面しています。だからこそ、この地域で活動するJCメンバーが一堂に会し、知見を共有し合い、新たな挑戦のきっかけを掴むことに大きな意義があります。私たちはその舞台を設ける立場として、単なる事務的な運営にとどまらず、参加する全てのメンバーに来てよかった、学びがあった、仲間が増えたと感じてもらえる時間を創り上げなければなりません。
私たちは60周年記念式典で培った経験を活かし、瑞浪らしいおもてなしの心をもって単なる交流の機会ではなく、学びと交流を通じて東濃全体の連帯感を強め、共に未来を切り拓くなかまづくりと未来を描く場として創り上げていきます。そこから得た学びと絆が各LOMの活動を力強く後押しし、やがては東濃地域全体の発展へとつながることを確信しています。
【結びに】
私は2021年に瑞浪JCに入会しましたが、新型コロナウイルスや円安などの社会環境の変化の中で社業が思うように進まず、JC活動に集中できない時期を過ごしました。そして2023年を最後に退会の決意を固めていた時、多くのメンバー、先輩方が私のために多くの時間、労力を割いて、直接対話する機会をくださったことで思い直し、JC活動を最後までやり切る覚悟を決め、本年度理事長を拝命するに至りました。その後、数えきれないほどの成長の機会と出会いをいただき、今ではあの時に退会せず本当に良かったと心から思っています。この経験を通じて、giveの精神の尊さを学び、受けた恩を今度は地域や仲間への貢献によって返したいと強く想っています。
JC運動は決して一人の力では成し遂げられません。仲間を信じ、託し合い、互いの力を引き出すことでこそ、本当の輝きが生まれます。瑞浪JCもまた同じです。互いの強みを尊重し合い、仲間の可能性を信じ抜くとき、個の集まりではなく最高のチームへと進化するのです。そして、仲間の力を解き放つことで、必ずまちを感動させる大きなうねりが生まれます。この一年、私は理事長として、仲間を信じ、可能性を引き出し合い、「共に想い」「共に走り」「共に創る」ことで、最高のチームをつくり上げていくことをここに誓います。
基本方針
・未来の瑞浪を共に切り拓くなかまづくりのために行動します。
・時間と資源を最大限に活かせる次世代型の組織づくりを行います。
・地域から信頼と共感を広げることのできる魅力的なひとづくりを行います。
・若者に希望の火を灯し、次世代へとつないでいくまちづくりを行います。
・東濃会議を通じ、学び、交流、未来を描く場を提供します。


